【ケース別】営業目標設定の具体例5選|SMARTの法則で達成へ導く行動計画

営業目標を立てたものの、現場の行動に結びつかず形骸化してはいませんか。 目標達成を現実にするには、曖昧な数値を現場が迷わず動ける行動指標(KPI)へと落とし込むことが不可欠です。本記事では、曖昧な目標を数値化する「SMARTの法則」の解説に加え、新規開拓やルート営業などのシチュエーション別に営業目標設定の具体例を5つ紹介します。
営業目標を具体化するSMARTの法則

営業目標を立てる際、「売上を伸ばす」「新規開拓を頑張る」といった表現では具体的なアクションにつながりません。目標を具体的かつ測定可能にするためには、 SMARTの法則 が有効です。
SMARTの法則とは、以下の5つの要素を満たす目標設定のフレームワークです。
- Specific(具体的に): 誰が読んでも解釈がブレない明確な内容か
- Measurable(測定可能な): 達成度合いを数値で客観的に判定できるか
- Achievable(達成可能な): 現実的で、努力すれば手が届く水準か
- Related(経営目標に関連した): 組織全体のビジョンやKGIと連動しているか
- Time-bound(期限を定めた): いつまでに達成するか明確な期限があるか
以下は、曖昧な目標をSMARTの法則に基づいて改善した具体例です。
| 改善前(曖昧な目標) | 改善後(SMARTな目標) |
|---|---|
| 新規顧客を増やす | 第3四半期末までに、新規リードからの商談化率を現状の10%から15%へ引き上げる |
| 既存顧客をフォローする | 今月末までに、上位20社に対して新機能のデモ提案を実施し、5件のアップセル案件を創出する |
このように期限と数値を明確にすることで、日々の架電数やメール送信数といった行動計画へ正確に落とし込むことができます。
新規開拓における営業目標設定の具体例(SaaS企業)

自社の課題に合った営業目標設定の具体例を探す際、基本となるのが「結果目標(KGI)と行動目標(KPI)の連動」です。SaaS企業の新規開拓営業では、「The Model(ザ・モデル)」型の分業体制を採用するケースが多く、最終的な受注件数だけでなく、それを達成するためのプロセスが明確に数値化されます。
| 項目 | 目標の具体例 | 行動計画(アクション)のポイント |
|---|---|---|
| KGI(結果目標) | 月間新規受注数 5件 | ターゲット層の明確化と商談の質向上 |
| KPI(行動目標) | アプローチ数 125件/月、提案数 25件/月、商談化率 20% | トークスクリプトの改善、決裁者へのアプローチ強化 |
KPIツリーなどのフレームワークを用いて要素を分解し、結果目標から逆算して行動目標を導き出します。ここでの判断ポイントは、設定した行動目標が 営業担当者自身の努力でコントロール可能な数値 になっているかどうかです。
また、アプローチ数だけをこなして商談の質が低下しては本末転倒です。トークスクリプトの改善や、成約率が劇的に上がる営業資料の作り方 を参考に提案内容をブラッシュアップするなど、プロセスごとの歩留まりを改善する施策をセットで実行する必要があります。
ルート営業における営業目標の具体例(製造業)
既存顧客を担当するルート営業では、新規開拓とは異なる指標が必要です。製造業のルート営業のケースでは、単なる訪問回数ではなく、顧客の潜在課題のヒアリングや提案の質が問われます。
営業目標の具体例として、以下のようにKGIとKPIを整理します。
| 項目 | 目標の具体例 | 行動計画(アクション)のポイント |
|---|---|---|
| KGI(結果目標) | 既存深耕による受注金額 3,000万円 / 継続利用率 95% | 顧客のビジネス成長に貢献する |
| KPI(行動目標) | 定期面談数 20件/月 / 新製品のデモ提案数 10件/月 | 決裁者との関係構築、アカウントプランの策定 |
ルート営業における目標設定の注意点は、前年踏襲の曖昧な目標になりがちな点です。「定期訪問数」だけでなく、「新サービスの提案数」や「アップセル・クロスセルの打診数」といった攻めの行動指標を組み込むことで、マンネリ化を防ぎ売上を最大化できます。この際、「BANT条件(予算・決裁権・必要性・導入時期)」や「SPIN話法」などのヒアリングフレームワークを活用し、提案の質を担保する行動をKPIに含めるのも効果的です。
新人向けの営業目標例(早期戦力化とプロセス定着)

成果が出にくい新人営業に対して、いきなり高い売上目標を課すと離職やモチベーション低下の原因になります。新人向けの営業目標例としては、まずは「正しい営業プロセスの定着」と「行動量の確保」に焦点を当てます。
| 項目 | 目標の具体例 | 行動計画(アクション)のポイント |
|---|---|---|
| KGI(結果目標) | 単独での初回商談実施数 5件/月、初受注 1件 | 営業の基本サイクルの習得 |
| KPI(行動目標) | 架電数 50件/日、先輩への同行訪問 3件/週、ロープレ 2時間/週 | ターゲットへのアプローチ手順と製品知識のインプット |
新人の場合は、「アポイントが取れない」と悩む前に、基礎となる活動を確実にこなせているかをモニタリングします。週次で1on1を実施し、行動の「量」だけでなく「質(トークの内容や顧客の反応)」を丁寧にフィードバックすることが、早期戦力化の鍵となります。
インサイドセールスの営業目標例(リード育成)

マーケティング部門から引き継いだ見込み顧客(リード)を育成し、フィールドセールスへパスするインサイドセールス。この役割では、「商談の質」と「タイミング」が重要になります。
| 項目 | 目標の具体例 | 行動計画(アクション)のポイント |
|---|---|---|
| KGI(結果目標) | 有効商談の創出数 15件/月 | リードの熱量を高め、適切なタイミングで営業へ引き継ぐ |
| KPI(行動目標) | リードへの架電数 60件/日、資料送付後のフォロー実施率 100% | 顧客の興味関心度合いの把握と、スコアリングに基づくアプローチ |
ここでの判断ポイントは、顧客の興味関心度合いを把握し、最適なタイミングでアプローチできているかです。せっかくのリードを放置しないよう、AI営業支援ツールの活用や、「Salesforce」「HubSpot」といったCRM/SFAツールを活用して行動履歴を可視化し、確度の高いホットリードから優先的に対応する仕組みを目標に組み込みます。
マネージャー向け営業目標設定の具体例(チーム予実管理)
マネージャー層の目標は、個人の売上ではなく「チーム全体の目標達成」と「メンバーの育成」に置かれます。ここで有効なのが、組織の目標と個人の目標を連動させる「OKR」や「MBO」といった目標管理フレームワークの活用です。
| 項目 | 目標の具体例 | 行動計画(アクション)のポイント |
|---|---|---|
| KGI(結果目標) | チーム売上予算の100%達成、目標達成メンバーの割合 80%以上 | 組織目標と個人目標の連動(OKR等の導入) |
| KPI(行動目標) | 予実管理ミーティングの週次実施、メンバーとの1on1実施率 100% | データを基にしたプロセス改善とメンバーの育成サポート |
マネージャーが現場で運用する際の最大の注意点は、未達成の要因を営業担当者個人のスキル不足だけで片付けないことです。属人的な評価を避け、「Salesforce」や「Mazrica Sales」などのSFAツールを活用してプロセス全体をデータで可視化し、チーム全体で改善策を議論する環境を整える必要があります。定期的な振り返りを通じて目標の妥当性を検証し続けることが、限られたリソースで成果を最大化するための要点となります。
まとめ
本記事では、SMARTの法則を用いた目標の立て方と、5つのシチュエーション別における営業目標設定の具体例を解説しました。成果を最大化する目標設定には、以下のポイントが不可欠です。
- SMARTの法則の活用: 具体性、測定可能性、達成可能性、関連性、期限を明確にする
- KGIとKPIの連動: 最終目標と日々の行動を数値で結びつける
- 役割別の目標設定: 新規開拓、ルート営業、新人など、役割に応じた指標を設ける
- 行動指標の進捗管理: 定期的なデータ可視化で課題を早期発見し、PDCAを回す
他社の営業目標の例を自社の運用に当てはめる際は、トップダウンで押し付けるのではなく、メンバーと対話しながら納得感のある目標を合意することが重要です。これらのポイントを押さえることで、属人的な営業活動の無駄を省き、チーム全体の達成意欲を高めましょう。



