受注率の平均は何%?計算方法と業界別目安・エクセル改善策【2026年版】

受注率の平均値は、BtoB営業全体で20〜30%が目安 です。計算式は「 受注件数 ÷ 商談件数 × 100 」で、分母に何を置くか(リード数・商談数・提案数)によって意味する指標が変わります。本記事では業界別・チャネル別の平均値、エクセルでの計算テンプレート、受注率を上げる改善策までを実務目線で解説します。
本記事を読むと、以下がわかります。
- 受注率の正しい計算式と、目的別の使い分け
- BtoB営業における業界別・チャネル別の平均値の目安
- エクセルですぐに使える受注率の管理テンプレート
- 受注率が上がらないボトルネックの特定方法と改善策
受注率とは|成約率との違いと計算式の基本
受注率とは、営業活動における 成約に至った割合を示すKPI で、「成約率」とも呼ばれます。基本の計算式は次のとおりです。
受注率(%)= 受注件数 ÷ 商談件数 × 100
たとえば月間の商談件数が50件で、そのうち10件が受注した場合、受注率は20%です。
なお「受注率」と「成約率」は実務上ほぼ同義で使われますが、企業によっては成約率を 件数ベース 、受注率を 金額ベース (受注金額÷提案金額)として使い分ける場合があります。社内での定義は事前に統一しておきましょう(出典: Xactly「成約率(受注率)とは?」)。
受注率の平均値|BtoB営業の業界別・チャネル別ベンチマーク
自社の営業活動を客観的に評価するには、業界の基準値との比較が出発点になります。BtoB営業における受注率の平均は、 全体で20〜30%が一般的な目安 とされています(出典: Sales Marker「商談化率の計算方法と平均値」、KOTORA JOURNAL「営業成約率はどれくらいが普通?」)。
ただし、扱う商材の単価・検討期間・チャネルによって大きく変動します。以下は公開ベンチマークから整理した、業界別・チャネル別の目安です。
業界別の受注率の目安(BtoB商談化後)
| 業界 | 受注率の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| IT・SaaS | 15〜25% | 検討期間が長く、複数社比較されやすい |
| 製造業(設備・部品) | 20〜30% | 既存取引比率が高く、相見積もりで決まる |
| 人材紹介・派遣 | 25〜35% | 求人・求職者双方のマッチング次第 |
| コンサルティング | 10〜20% | 高単価・長期検討、決裁者が複数階層 |
| 広告・マーケティング支援 | 15〜25% | 予算サイクルと提案質の影響大 |
注: 業界平均は調査主体や定義によって幅があります。自社数値の評価は 外部平均との絶対比較ではなく、自社過去データとの相対比較を主軸 にしてください。
チャネル別の商談化率・受注率の目安
| 流入チャネル | 商談化率の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| インバウンド(問い合わせ・資料DL) | 15〜30% | 顕在ニーズ層が中心、受注率も高めに出やすい |
| ウェビナー・セミナー | 20〜40% | テーマ次第で大きく変動 |
| 展示会 | 1〜5% | 名刺獲得数は多いが温度感は低い |
| アウトバウンド(テレアポ等) | 1〜3% | ターゲティング精度が成果を左右 |
(出典: Sales Marker「商談化率の計算方法と平均値」、Leagle「インサイドセールスにおける商談化率の平均」)
チャネルごとに「母数の質」が違うため、受注率も同じ尺度では比較できません。 KPIはチャネル単位で別々に管理する のが原則です。営業KPI設計の考え方は営業KPIとは?正しい設定手順と業種別テンプレートで成果を最大化で詳しく解説しています。
受注率の正しい計算方法|分母の置き方で意味が変わる
受注率の本質は、 分母に何を置くか で見えるボトルネックが変わるという点にあります。

分母別の3つの計算式
1. 対リード受注率(リードベース)
対リード受注率 = 受注件数 ÷ 獲得リード数 × 100
マーケティング施策の質と、インサイドセールスの初期アプローチ精度が見える指標です。リード数に対する受注率が著しく低い場合、ターゲット層のズレや初動の遅さが疑われます。
2. 対商談受注率(商談ベース)
対商談受注率 = 受注件数 ÷ 商談件数 × 100
最も一般的に「受注率」と呼ばれる指標です。商談を経た顧客のうち、最終的に契約に至った割合を示します。
3. クロージング率(提案ベース)
クロージング率 = 受注件数 ÷ 提案件数 × 100
具体的な提案・見積もりを行った案件のうち、契約に至った割合。 提案の質と決裁者攻略 にフォーカスした指標です。提案フェーズでの歩留まりが悪い場合は、提案書そのものの見直しが効果的です。
金額ベースの受注率も併用する
件数ベースだけでなく、 金額ベースの受注率 も併用すると売上予測の精度が上がります。
金額ベース受注率 = 受注金額 ÷ 提案金額 × 100
低単価案件の数で件数受注率が高く見えても、金額ベースで低ければ大型案件を取り逃している可能性があります。
エクセルで使える受注率の計算テンプレート
専用システムがなくても、エクセルで十分に受注率を可視化できます。以下のフォーマットをそのまま自社シートに転記してください。
| 管理項目 | エクセルでの入力内容・計算式 | 具体例(数値) | 備考 |
|---|---|---|---|
| A. 商談件数 | 手入力(期間内の総商談数) | 100件 | 初回面談を実施した件数 |
| B. 提案件数 | 手入力(提案フェーズへ進んだ数) | 60件 | 見積もりや具体的な提案を行った件数 |
| C. 受注件数 | 手入力(成約に至った数) | 25件 | 契約書を締結した件数 |
| 商談化率 | =B2/A2(書式: パーセント) | 60.0% | リードから提案へ進んだ割合 |
| クロージング率 | =C2/B2(書式: パーセント) | 41.6% | 提案後に成約した割合 |
| 総合受注率 | =C2/A2(書式: パーセント) | 25.0% | 全商談に対する受注の割合 |
ゼロ除算エラー(#DIV/0!)を防ぐ計算式
分母がゼロの場合、#DIV/0!エラーが発生します。IFERROR関数で囲むと回避できます。
=IFERROR(C2/A2, 0)
運用時の注意点
数値運用で最も重要なのは、 入力基準をチーム全体で統一すること です。「どの状態になれば商談1件とカウントするのか」が担当者ごとに揺れると、正しい分析ができません。商談ステージの定義は、SFA導入時にも必ず議論する論点です。SFAの選定基準は営業ツール比較で迷わない!SFA・MAの違いと8つの選定ポイントを参照してください。
受注率が上がらない原因とボトルネックの特定
受注率を改善するには、営業ファネル全体を俯瞰し、各フェーズのKPIを詳細に分析します。

特に注目すべきは 中間KPIの低下 です。
- 商談化率の低下: リードの質、または初動アプローチの遅さが原因
- 提案化率の低下: ヒアリング精度・課題抽出が不十分
- クロージング率の低下: 提案書の論理性・決裁者対策が不足
「どのフェーズで顧客が離脱しているか」を可視化することで、属人的な勘ではなくデータに基づいた改善が可能になります。フォローアップKPIの具体的な設計は営業フォローアップKPI 6選|商談化率を上げるリードナーチャリング設計【2026年版】も合わせて確認してください。
受注率を向上させる3つの具体策
ボトルネックを特定したら、具体的な改善アクションに落とし込みます。
1. リードスコアリングによる優先順位付け
顧客の行動履歴を数値化し、一定スコアを超えた「今すぐ客」から優先アプローチします。配点例は次のとおりです。
- 料金ページ閲覧: 5点
- 資料ダウンロード: 10点
- 導入事例ページ閲覧: 8点
- 問い合わせフォーム送信: 30点
合計20点を超えたリードへ24時間以内に架電する運用にすると、商談化率が上がります。リードの熱量別アプローチの詳細はBtoB営業の商談化率UP!ホットリードへのアプローチを成功させる7つのポイントで解説しています。
2. ナーチャリングによる購買意欲の育成
まだ情報収集段階の「そのうち客」には、定期的な情報提供で中長期的に関係を構築します。導入事例メール、業界トレンドのウェビナー招待などを通じて購買意欲を高めた状態で営業へパスすることが、無理のないクロージングにつながります。
3. 提案資料のブラッシュアップ
提案フェーズの歩留まりが悪い場合は、提案書の構成と見せ方を見直します。決裁層が納得する論理構成と、視覚的にわかりやすい資料は、クロージング率を直接押し上げます。
営業資料をペライチ(1枚)でまとめる構成術!決裁者を動かす3つのコツとサンプル 無料パワポで成約率UP!「刺さる」営業資料テンプレートの活用と作成術
受注率の計算に関するよくある質問
Q. 受注率の平均は何%が目安ですか?
BtoB営業全体では 20〜30% が一般的な目安です。ただしIT・SaaSは15〜25%、コンサルティングは10〜20%など、業界や商材単価で大きく異なります(出典: Sales Marker、KOTORA JOURNAL)。
Q. 受注率と成約率の違いは何ですか?
実務上はほぼ同義で使われます。一部企業では成約率を件数ベース、受注率を金額ベース(受注金額÷提案金額)として使い分けます。社内で定義を統一することが最優先です。
Q. 受注率の計算で分母は何にすべきですか?
目的によって使い分けます 。
- マーケ施策を評価したい → 分母をリード数
- 営業全体の力量を見たい → 分母を商談数
- 提案の質を見たい → 分母を提案数
1つの指標だけで判断せず、複数の分母で受注率を併用するのが定石です。
Q. エクセルの計算式でゼロ除算エラー(#DIV/0!)が出ます。
=IFERROR(C2/A2, 0)のようにIFERROR関数で囲むと、分母が0のときに0を返してエラー表示を回避できます。
Q. 受注率が業界平均より低い場合は何から見直すべきですか?
まず ファネルのどこで離脱しているか を特定します。商談化率が低ければリードの質、提案化率が低ければヒアリング精度、クロージング率が低ければ提案書と決裁者対策が改善ポイントです。
まとめ|受注率の正しい計算と改善の進め方
受注率の業界平均は BtoB全体で20〜30% ですが、業界・チャネル・分母の取り方によって大きく変わります。重要なのは次の3点です。
- 分母を明確に揃える (リード/商談/提案のどれか)
- 業界平均は参考程度、自社過去データとの相対比較を主軸にする
- ファネル全体でボトルネックを特定し、フェーズごとに改善する
エクセルテンプレートで日々の数値を可視化し、リードスコアリング・ナーチャリング・提案資料の改善で確度の高い商談を積み上げていきましょう。営業全体のKPI設計を改めて見直したい方は、営業KPIとは?正しい設定手順と業種別テンプレートで成果を最大化も合わせてご覧ください。



