BtoB営業の受注率の正しい計算方法と平均値|エクセル計算式と改善策

「商談件数は増えているのに、最終的な成約に結びつかない」と課題を感じている営業マネージャーの方も多いでしょう。
受注率が上がらない最大の理由は、営業プロセスのどこにボトルネックがあるかを数値で把握できていないことです。
本記事では、目的に合わせた受注率の正しい計算方法や計算式から、エクセルですぐに使える管理術、そして確度の高い商談を増やす具体的な改善策までを解説します。
BtoB営業における受注率の平均値と目安
自社の営業活動を客観的に評価する際、まずは業界の基準となる数値を把握することが重要です。BtoB企業の受注率の平均値は、一般的に20〜30%程度です。
ただし、この数値は扱う商材の単価や営業プロセスによって大きく変動します。たとえば、単価が数百万円にのぼるエンタープライズ向けのITシステムと、月額数千円から始められるSaaSツールでは、成約に至るまでのハードルや検討期間が全く異なります。そのため、外部の平均値を絶対的な目標とするのではなく、 自社の過去データと比較した相対的な変化を追うこと が重要です。自社の現状を測り、改善の余地を探るための初期の判断ポイントとして活用してください。
受注率の正しい計算方法と計算式
受注率を改善するためには、目的に応じて受注率の計算式を使い分けることが重要です。一般的な計算式は「受注数 ÷ 対象数 × 100」ですが、分母に何を置くかで見えてくる課題が異なります。

たとえば、分母を「獲得した全リード数」とした場合、マーケティング施策の質や初期アプローチのタイミングが評価できます。リード数に対する受注率が著しく低い場合は、ターゲット層にズレがあるか、インサイドセールスによる初期アプローチのタイミングを逃していると考えられます。
一方、分母を「具体的な提案を行った数」とした場合は、提案内容の質やクロージングスキルに課題がないかを可視化できます。このように、営業プロセスのどの段階にボトルネックが潜んでいるかを可視化するために、フェーズごとに区切って受注率を計算し、定期的に振り返ることが不可欠です。
エクセルで使える受注率の計算テンプレート
現場で数値を管理する際、高価な専用システムがなくても、表計算ソフトを活用すれば十分に可視化が可能です。ここでは、受注率の計算をエクセルで行うための、そのまま使えるテンプレート構成案を紹介します。以下の表を参考に、自社の管理フォーマットへ正しい計算式を組み込んでみてください。
| 管理項目 | エクセルでの入力内容・計算式 | 具体例(数値) | 備考 |
|---|---|---|---|
| A. 商談件数 | 手入力(期間内の総商談数) | 100件 | 初回面談を実施した件数 |
| B. 提案件数 | 手入力(提案フェーズへ進んだ数) | 60件 | 見積もりや具体的な提案を行った件数 |
| C. 受注件数 | 手入力(成約に至った数) | 25件 | 契約書を締結した件数 |
| 商談化率 | =B/A (パーセント表示) | 60.0% | リードから具体的な提案へ進んだ割合 |
| クロージング率 | =C/B (パーセント表示) | 41.6% | 提案後に成約した割合 |
| 総合受注率 | =C/A (パーセント表示) | 25.0% | 全商談に対する最終的な受注の割合 |
各フェーズの数値を入力し、自動計算させることで、どの段階の歩留まりが悪いのかが一目でわかるようになります。数値を現場で運用する際の最大の注意点は、 データの入力基準をチーム全体で統一すること です。「どの状態になれば商談1件とカウントするのか」が営業担当者ごとに異なると、正しい分析ができません。
受注率が上がらない原因とボトルネックの特定
受注率を改善するためには、営業ファネル全体を俯瞰し、各段階で設定されたKPIを詳細に分析することが重要です。

特に、商談化率やフェーズ移行率といった中間KPIの低下は、最終的な受注率に大きな影響を与えるボトルネックとなります。「どこで顧客が離脱しているのか」を可視化することで、営業担当者の勘や経験に頼る属人的なアプローチから脱却できます。
また、数値を入力すること自体が目的化しないよう、マネージャーは定期的なミーティングで「なぜこのフェーズの移行率が下がっているのか」を問いかけ、 具体的なアクションプランへ落とし込む伴走 が求められます。
受注率を劇的に向上させる3つの具体策
正確な数値分析によってボトルネックを特定した後は、具体的な改善策を実行します。ここでは、確度の高い商談を増やすための3つのアプローチを紹介します。
1. リードスコアリングによる優先順位付け
顧客の行動履歴(Webサイトの特定ページの閲覧、お役立ち資料のダウンロード、メールのリンククリックなど)を数値化してスコアリングし、一定の基準に達した「今すぐ客」から優先的にアプローチする仕組みを構築します。たとえば、「料金ページの閲覧に5点」「資料ダウンロードに10点」と配点し、合計20点を超えた見込み顧客に優先して架電する、といった運用が効果的です。これにより、営業部門は質の高いリードに集中でき、効率的な受注に繋がります。
2. ナーチャリングによる購買意欲の向上
まだ情報収集段階にある「そのうち客」に対しては、定期的な情報提供を通じて中長期的に関係を構築するナーチャリングを行います。たとえば、導入事例の紹介メールや、業界のトレンドを解説するウェビナーへの招待などを定期的に送付します。マーケティング部門と連携し、購買意欲を高めた状態で営業へパスすることが重要です。顧客の興味関心度合いが低い状態で無理に商談を進めても、失注のリスクが高まるだけです。
3. 提案資料のブラッシュアップ
どれだけ質の高いリードを抽出しても、提案内容が顧客の心に響かなければ受注には至りません。顧客の決裁層が納得する論理的な構成と、自社の強みや導入メリットが視覚的にわかりやすく整理された資料は、商談の成功を大きく左右します。
提案フェーズでの歩留まりに課題を感じている場合は、以下の記事も参考に、チーム全体で活用できる営業資料の構成や見せ方を根本から見直すことも非常に有効な手段です。
営業資料をペライチ(1枚)でまとめる構成術!決裁者を動かす3つのコツとサンプル 無料パワポで成約率UP!「刺さる」営業資料テンプレートの活用と作成術
受注率の計算に関するよくある質問
Q. 受注率と成約率の違いは何ですか?
基本的には同じ意味で使われます。ただし、企業によっては「成約率」を単に契約が成立した割合とし、「受注率」を金額ベースでの達成度合い(受注金額÷提案金額)と定義して使い分けるケースもあります。自社内で明確な定義を統一することが重要です。
Q. エクセルでの計算式でエラーが出た場合はどうすればいいですか?
分母(商談件数など)がゼロの場合に「#DIV/0!」エラーが発生します。エクセルの計算式を =IFERROR(C2/B2, 0) のように IFERROR 関数で囲むことで、エラー表示を回避し、見やすい管理表を作成できます。
まとめ
本記事では、BtoB営業における受注率を向上させるための具体的なアプローチを解説しました。
成果を最大化するには、まず自社の受注率を正しく計算し、業界平均値と照らし合わせて現状を客観的に把握することが重要です。エクセルなどの身近なツールを活用して数値を可視化し、リードスコアリングやナーチャリングを通じて見込み顧客の質を高めることで、確度の高い商談を効率的に増やしていきましょう。



